ましゅまろハート
翌日。


水曜日は他の曜日とは違い、

授業が少ない。


俺も4時限のうち

2時限しか埋まっていない。


空いている時間をフルに使って、

俺は彼女、

―――林美波を

探し出そうと決めていた。


「絶対、見つけてやる」


自分の意思を明確にしようと

声に出して言ってみる。


「何を見つけるんだよ?」


真後ろから

でかい声がしたと思ったら、

素早く俺の首が腕で締め上げられた。


「ヤナ。はよ」


まさかヤナに

この独り言を聞かれているとは思わず、

俺の目は完全に泳いでいた。


いっつも急なんだよな、

ヤナは。


< 44 / 164 >

この作品をシェア

pagetop