ましゅまろハート
「“はよ”じゃねーよ。

 だからお前は

 何を見つけるんだよ?」


ヤナは俺の言葉が気になるようで、

最初こそ緩かった腕の力が

徐々に増してくる。


「ギブギブ! 離せ!

 ちゃんと言うから」


俺はヤナの腕を

バシバシと叩きながら降参した。


やっぱり、

ヤナには黙っておけねーな。


いっそヤナにも協力してもらうか。


ようやくヤナの手が解かれ、

俺と並んで構内を歩く。


「で、何見つけるんだ?」


ヤナの顔を見ると、

目じりが下がって

ニタニタしている。


どうやら頭の中は

いかがわしいことでいっぱいらしい。


“親にアダルトDVDを隠された”

とか思ってるんだろう。


「お前の想像とは違うよ」



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