地球の三角、宇宙の四角。
ギリギリのところで、顔を背けた。
「ごめんなさい。私……」
今のこんな気持ちでは、とても無理だ。
そう言うと彼も
「ゴメン」
と、黙り込んで顔を伏せた。
「おとぎ話みたいには、いかないよな」
とカバンを持って、少し息を吐き出した。
「ちゃんと寝ろよ。おやすみ」
と、手を振って部屋を出て行った。
「おやすみなさい」
寝てしまったら元に戻れるのだろうか? それとももっと食い違った物になるのだろうか、そう考えると怖くて眠ることも出来そうもない。それに、暗くすることは黒い物を思い出しそうで、出来なかった。
TVを点けると、男だか女だかわからないタレントが、自分の性癖がいかに人間離れした物であるのかをおもしろおかしく話していた。スタジオは大爆笑で、私も釣られて笑ってしまった。
しばらく「ねえよ!」とか、画面に向かって突っ込んだりしながら夢中で見ていると、やがてスタッフロールが流れ出した。束の間ではあったが忘れることが出来た。
「ねぇよ」とつぶやく。
そうだ、あるはずがない。こんなことって、ありえない。
しかし、
なぜ、黒い物の記憶は、こんなにもハッキリとしているのだろうか。
「ごめんなさい。私……」
今のこんな気持ちでは、とても無理だ。
そう言うと彼も
「ゴメン」
と、黙り込んで顔を伏せた。
「おとぎ話みたいには、いかないよな」
とカバンを持って、少し息を吐き出した。
「ちゃんと寝ろよ。おやすみ」
と、手を振って部屋を出て行った。
「おやすみなさい」
寝てしまったら元に戻れるのだろうか? それとももっと食い違った物になるのだろうか、そう考えると怖くて眠ることも出来そうもない。それに、暗くすることは黒い物を思い出しそうで、出来なかった。
TVを点けると、男だか女だかわからないタレントが、自分の性癖がいかに人間離れした物であるのかをおもしろおかしく話していた。スタジオは大爆笑で、私も釣られて笑ってしまった。
しばらく「ねえよ!」とか、画面に向かって突っ込んだりしながら夢中で見ていると、やがてスタッフロールが流れ出した。束の間ではあったが忘れることが出来た。
「ねぇよ」とつぶやく。
そうだ、あるはずがない。こんなことって、ありえない。
しかし、
なぜ、黒い物の記憶は、こんなにもハッキリとしているのだろうか。