ルージュ1/50




「女性はね、毎日口紅をつけて食事をすると、一生で50本の口紅を食べていることになるんですって。」





「それは面白い話だね。」




「でしょ?
そんなに食べたら、お腹の中が紅くなっちゃいそうよね。」





私の言葉に彼が声をあげて笑った。





「あはははは。でも。
君の場合は少しだけ違っているかもしれないよ。」





彼が私を抱き上げて膝の上に乗せた。
私は彼の首に手を回す。
彼の手はバスローブの裾を潜り、奥へと滑るように捩じ込まれていく。
私の唇が弱々しく呻くのを嬉しそうに眺める瞳。
ごつごつした手を動かしてゆく。





「だって、ほら。
お腹じゃなくて…ここが、紅くなっているじゃないか。」





慣れた指に私は大きく息を吐き出しながら彼にしがみつく。
私の花は再び蜜を蓄え始め指に応える。
吐息に声が混じり始めた私を塞ぐように、彼が唇を重ねる。
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