奇跡事【完結】
「そういえば、カタラ。腕の傷はもう大丈夫なのか?」
荷物を置いてからキョウがそうカタラに尋ねる。
「ああ、動かすと痛みを感じるが支障はない」
「そうなのか。それならよかった」
「カノってあんな魔法使えるって事は、魔力強いのかな」
僕がそう言うと、カタラは少しだけ険しい顔で首を捻る。
「……カノから魔力をあまり感じないんだ」
「え。それってどういう事」
「俺も思ってた。カノからあれほどの魔法を使える魔力を感じない」
「キョウも感じていたか」
カタラがキョウを見ると、キョウは眉間に皺を寄せながら口を開く
「その魔力を感じない理由は、記憶喪失とも関係があるかもな」
「そうだな。自覚していないだけかもな」
僕にはサッパリだ。
やっぱり魔力が解放されたから、キョウは魔力の違いを感じ取ることが出来るのか。
キョウがどこか遠い存在に感じて、少しだけ寂しく思った。
でも、これは元々僕達にあった力なんだよね。
……どんなに魔力が強くなろうとも。
キョウはずっと友達で、仲間な事に変わりはない。