奇跡事【完結】



中へと案内され、俺と母親は足を踏み入れる。

外観と変わらない室内。
机と椅子があるだけだ。
何か、装飾品があるわけじゃない。


俺と母親が椅子に座ると、ソアレはお茶を出してくれる。


「そろそろ来る頃だと思ってたよ。マークも帰ってくるから、少し待っててくれ」

「ええ。今日はマークもいるのね」

「ああ、普段は部屋の奥に籠ってるんだけどさ」


そう言ってソアレはカラカラっと笑った。
それから俺に視線を移すとソアレは口を開く。


「君は…、サーティスだっけか」


それに頷くと、ソアレは目を細めた。


「そっか。大きくなったな」

「……」


昔、会ってるのかな。
俺はソアレを覚えていない。

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