奇跡事【完結】

「魔法具、だったね。それとは別に少し話ししたい事があったから、今日は待ってもらったんだ」

「話、ですか?」


母親は不思議そうに首を傾げる。
それに静かに頷くと、マークは俺の顔を真っ直ぐに見つめた。


「お前には底知れぬ魔力がある。ただ、まだ子供だ。それが原因で嫌な想いをするかもしれない。
魔法を必要とする世界なのに、魔法に優しくないんだよ」

「……」

「それに同じ人間として扱ってはくれない。
傷を作れば他の人と同じように血が流れる。だけど、それを認めてくれないんだ」


言ってる事はわかる気がした。
俺達を手厚く歓迎してくれた宿の主人も、船員達も。

笑っていたけど、どこか壁を感じた。


彼らはきっとこれから、魔法を使える俺に期待するだろう。
非力だから何かあっても、諦めるばかりで。
それで命を落とした人がいても、きっと俺の所為にするんだ。


……俺がマークの所為だと思ったように。

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