奇跡事【完結】
「だから、その力の所為で困った事があるならすぐに俺を頼って欲しい」
「……」
俺は返事をすることなく、ただじっとマークを見つめた。
マークはふわりと笑うと、魔法具を用意するようにソアレに言っていた。
ソアレが持ってきたそれは、手袋みたいなモノだった。
どうやらこれが魔法具らしい。
手の甲部分に変な模様が入っていた。
ただの手袋に見えるけど、確かにそこに魔力が込められているのがわかる。
「それで大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。ありがとう、マーク」
「もう、抑える必要はなさそうだしな」
ちらりと俺を見てから、バツが悪そうにそう言ったマーク。
俺の力を抑えていたネックレス。
全て思い出した今では無用だ。
「また来るといい。またな」
そう言ったマークに母親は笑顔で挨拶する。マークは俺にも声をかけたけど、俺は無視した。