奇跡事【完結】
「全て知ったら家を出て行くと思ってたわ。サーティス。
いつだって私は貴方の味方よ。だから、疲れたら帰ってきなさい。いいわね」
「……お母さん」
「たまには顔を見せてね」
「うん、わかった」
「ちゃんとご飯食べるのよ」
「うん。大丈夫。それじゃあ、行って来る」
「……行ってらっしゃい」
涙を流しながら、にっこりと笑う母親に俺も笑顔を見せた。
姿が見えなくなるまで手を振ってる母親に、俺も手を振った。
帰りの航海中、エレノアの事を船長に聞いたらエレノアはマヒアという街にいるらしい。
らしいだから確実ではない。
マヒアは俺の住んでた村から南に真っ直ぐ進んだ場所にあると言っていた。
目的地に向かってひたすら歩いた。
夜は野宿して、朝になると動き出す。
野生の動物に襲われたって力はあった。
火を出して威嚇すれば大抵の動物は逃げて行く。
湖や、森で食糧は確保した。
別に生きていけるなら、なんでもいい。
家を出てから数日経ったある日。
俺は一人の男と出会った。