奇跡事【完結】
「……お前の名前は」
「俺の名?……ズマーニャだ」
「ズマーニャはどこまで行くつもりなんだ?」
「何でそんな事を知りたいんだ」
「俺はマヒアに行こうと思ってる。ただ、行った事がないんだ。
知ってるならと思ってな」
「マヒア…、何の為に?」
「……エレノアに会う為に」
「っ!?」
俺がそう言った瞬間、目を見開くズマーニャ。
何でだろう。そう思って首を捻りながら尋ねた。
「何かあるのか」
「……エレノアにはどうして会いに行くんだ」
「それは言う必要ないだろ」
「そうだな。だけど、返答次第でお前を殺さなくてはならない」
「はっ?」
あまりにも突然の事で、俺は口を開けたままズマーニャを射抜く様に見た。
だけど、ズマーニャは真剣らしくナイフを手にすると俺に剣先を向けた。
それから、再度尋ねる。
「どうしてエレノアに会いに行くんだ」
ピンっと空気が張り詰めていた。
息をする事も躊躇う程に。