奇跡事【完結】
それから俺達はその場で夜を明かすことにした。
もう辺りは暗い。
これから移動するのも危険だろう。
「ズマーニャは魔法が使えるのか?」
地面に寝転がった俺は、夜空を眺めながらそう尋ねた。
「魔力はあるが、俺は使えない」
「そうなのか?だけど、魔法を使えないならどうして魔力があるってわかるんだ」
「自分にそれなりの魔力があれば、魔力があるヤツはわかる。
それと経験だな」
「経験?」
そう聞き返すと、ズマーニャの方を向く。
同じように寝転がっていたズマーニャはこっちを見ることなく返事をした。
「ああ、魔力があるヤツは気配でわかる。
サーティス。お前は強いだろ」
「……」
「それほど強い魔力を持った人間はそうそういない。
忌み子。お前は双子なんだろう?」
「……」
それに俺は否定も肯定もしなかった。
だけど、ズマーニャは沈黙を肯定ととったようだ。