こわれもの
「悩みがあるなら、お兄さんに話してみ?」
運転しつつ、ヒロトは冗談まじりにそういい、
「……アスカから見て、俺ってもうお兄さんじゃない?
オジサンに見える!?」
一人で落ち込むヒロトに、アスカはつい、吹き出してしまった。
“どんなことにもこだわらなさそうな、サッパリした人だと思ってたのに。
ヒロトさん、変わったとこで繊細だな”
「ヒロトさんはオジサンなんかじゃないよ。
店で初めて見た時、タメかと思ったし」
「ほんと?
それ、お世辞じゃないよな??」
妙に真面目なヒロトに、アスカはまた笑いが込み上げてきた。
「ヒロトさん、気にしすぎ!
22は全然若いよ。
っていうか逆に、ヒロトさんこそ、私のこと子供だって思ってるんじゃない?」
核心に迫ることを、さりげない流れで訊いてみた。
アスカは自分の会話に、
“私、よくやった!”
と、心の中で両手を上げて舞い上がる。