こわれもの

「まあ、たしかに、アスカは妹みたいに感じるな」

サラリと返された答え。

アスカの胸は、再びキシキシと痛んだ。

「やっぱりな~。でも、当たり前だよね。

じゃあ、私はヒロトさんのことお兄ちゃんって思うことにする!」

「だな」

助手席から見たヒロトの小さい笑みに、アスカはますます落ち込んだ。

“別に、期待してないもん。

ヒロトさんは、ただの友達!!”

これ以上妙な気持ちにならないよう、アスカは何でもない話題で雰囲気を保った。


それからほどなくして、ヒロトの運転する車はアスカの自宅近くのコンビニの駐車場に止まった。

アスカのバイト先とはまた違う、反対方向に位置するコンビニである。

エンジンを止めて外に出たヒロトは、助手席の扉を開けると、

「家まで車出そうか?」

と、シートに座るアスカに訊いた。

「ううん、ここでいいよっ。

おばあちゃんに見つかると、何言われるか分かんないし」

アスカはあえて、自宅近くのコンビニで降ろしてもらったのだ。

彼女の自宅は、団地外れの静かな場所にある。

もう、日付が変わっているし、時間的にもう、近所の人は寝静まっている。

「おばあちゃんにはウソついて出てきたから、ヒロトさんと居たってバレたら怒られるもん。

だから、ここでいいよ。

送ってくれて、ありがとう」

「そっか……」


コンビニから3分ほど歩けば自宅に着ける。

アスカは車を降り、ヒロトに頭を下げるとドアを閉め、てくてくと自宅に向かった。

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