こわれもの

結局ヒロトに促されるがまま、アスカはケータイの番号とメールアドレスを彼に教えたのだった。

「また、一緒に出かける時、アスカに後ろめたい思いさせたくないしさ。

今日も、ばあちゃんにウソついて俺に付き合ったの、キツかっただろ?」

「うん、まあ……」

ヒロトは、アスカが夜に外出しづらい立場であることを相当気にしていた。

「そんな後ろめたい思いさせたくないし、遊ぶなら心おきなくがイチバンだろ?

また、誘うからな」

そうまで言われたら、断ることもできないアスカであった。

いや、断る気など始めからない。

あれこれ考えてみても、なんだかんだで最終的にはヒロトと連絡先を交換しあっていただろう。

“ヒロトさんは、ただの友達!

変な期待はするなっ!

でも、妹って言ってるわりには、優し過ぎるよね……。

あああ!! もう! いろいろ考えちゃうこの頭が嫌”

アスカは思った。

自分は、あくまでヒロトの妹的存在。

決して、こちらから恋心なんて抱いてはいけない。

妙な意地を張りつつ、アスカは自宅に戻り、気分転換のため風呂でアロマオイルを使った。

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