こわれもの
最初、あのコンビニでアスカを見かけた時、昔の自分の影が重なり、どうにも放っておけなくなってしまったのだ。
バイトでミスをして落ち込む彼女を前に、ヒロトは以前の自分を思い出さずにはいられなかった。
最初アスカは、バイトを辞めたいと悩んでいた。
もしアスカがバイトを辞めてしまったら、もう、彼女に会えなくなる。
それは、何だか寂しい。
どうにか前向きに仕事を続けてほしい。
彼女を元気づけたくて、ヒロトは毎日、あのコンビニに通った。
寝坊して遅刻しそうだった日も……。
“良くも悪くも、若いうちは傷つきやすいしな”
店に通ううちに、ヒロトの庇護(ひご)欲は強くなっていった。
アスカが傷つきそうな出来事から、身を呈(てい)して守ってあげたいと感じるほどに。
昔の同級生達と違い、アスカは純粋にヒロトの人格をほめてくれた。
彼女は、他人を利用するタイプでもない。
ヒロトは、そんなアスカに好感を持った。