こわれもの

最初、あのコンビニでアスカを見かけた時、昔の自分の影が重なり、どうにも放っておけなくなってしまったのだ。

バイトでミスをして落ち込む彼女を前に、ヒロトは以前の自分を思い出さずにはいられなかった。


最初アスカは、バイトを辞めたいと悩んでいた。

もしアスカがバイトを辞めてしまったら、もう、彼女に会えなくなる。

それは、何だか寂しい。

どうにか前向きに仕事を続けてほしい。

彼女を元気づけたくて、ヒロトは毎日、あのコンビニに通った。

寝坊して遅刻しそうだった日も……。


“良くも悪くも、若いうちは傷つきやすいしな”

店に通ううちに、ヒロトの庇護(ひご)欲は強くなっていった。

アスカが傷つきそうな出来事から、身を呈(てい)して守ってあげたいと感じるほどに。


昔の同級生達と違い、アスカは純粋にヒロトの人格をほめてくれた。

彼女は、他人を利用するタイプでもない。

ヒロトは、そんなアスカに好感を持った。

< 32 / 214 >

この作品をシェア

pagetop