こわれもの

次の瞬間、マツリは膨れっ面をし、

「ふん! そんな大人、探せばいくらだっているだろっ」

「負け惜(お)しみほど、見てて恥ずかしいものはないね」

アスカは彼の言葉を冷ややかにスルーした。

「なんだよ! ヒロトヒロトって。

バカじゃねー」

それきり、マツリは黙ってしまった。


明らかに不機嫌なマツリをかわしつつ、アスカは学校に着いた。

いろいろ文句をつけつつも、マツリはアスカのそばを離れない。

席につくと、先に教室に着いていたキョウが元気に挨拶をしてくる。

彼女は、アスカの席にやってきて、

「もしかして、またマツリに絡まれた?」

と、苦笑する。

アスカはあからさまなため息をつき、

「アイツ、顔はいいけど性格が残念だよね。

ヒロトさんと大違い」

と、少し離れた席に座るマツリに聞こえるよう、わざと大声で言った。

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