こわれもの
「そんな発想、どこから出てくるの?」
キョウは呆然としているが、アスカはマツリのセリフひとつに、激しく動揺した。
マツリは説明をする。
「ちょっと考えてみたら分かることだろ?
旦那いる女と付き合ってたら、普通の恋人同士みたいに自由な時間は取れないから、自然と会う時間帯を気遣うようになる。
子育て中の女に好意的な目を向けられるのは、子供のいる女と付き合ったことがある、あるいは付き合ってる最中だから。
そう考えるのが妥当だろ。
人ってそんなもんじゃん?
自分の身近にある出来事や人物に関連するものを、ほめたり批判したりする。
好きなものがその対象なら、だんぜん、ほめるだろうな」
「マツリって、時々説得力あるね」
目を丸くするキョウのそばで、アスカは頭を働かせた。
“マツリの言ってる通りだとしたら、ヒロトさんは……”
「とりあえず、ヒロトさんに彼女いるかどうか、早めに確かめた方がよくない?」
マツリにインスパイアされたキョウは、アスカにそう助言した。