純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「桐生さん。お願い」
「……この左目は、」
長い沈黙の末、桐生さんはやっとの思いで口を開いた。
「この左目は自分でくり抜いたモノで左目は水に流れました。春香が殺されて不安定な状態だったようです。今はもう大丈夫ですので、早く帰らせてください」
驚いた。確かに、運び込まれて来た時より意識はしっかりしているし、手当てはもう済ませたため、帰らせることはできるにはできる。
ただ、こうやって話を聞いているのは、真実を知りたかったから。事故や事件に巻き込まれた怪我かもしれないと思ったからだ。
「本当に自分でやったの?」
桐生さんは力強く頷いた。私を見つめる右目に、嘘や偽りはない。
「そう……分かったわ。それじゃあ、左目を治す手術のことだけど──」
「──結構です」
「……え?」
「義眼も、誰かの目玉も結構です。今のように包帯を巻いてくれさえすれば、他は何もいりません。この左目は自分で与えた自分への罰なのですから、いりません」
桐生さんの右目は真剣そのものだ。私が強く言ったところで、聴く耳を持たないだろうと判断する。
「……分かったわ」
仕方なく、承知した。
「……この左目は、」
長い沈黙の末、桐生さんはやっとの思いで口を開いた。
「この左目は自分でくり抜いたモノで左目は水に流れました。春香が殺されて不安定な状態だったようです。今はもう大丈夫ですので、早く帰らせてください」
驚いた。確かに、運び込まれて来た時より意識はしっかりしているし、手当てはもう済ませたため、帰らせることはできるにはできる。
ただ、こうやって話を聞いているのは、真実を知りたかったから。事故や事件に巻き込まれた怪我かもしれないと思ったからだ。
「本当に自分でやったの?」
桐生さんは力強く頷いた。私を見つめる右目に、嘘や偽りはない。
「そう……分かったわ。それじゃあ、左目を治す手術のことだけど──」
「──結構です」
「……え?」
「義眼も、誰かの目玉も結構です。今のように包帯を巻いてくれさえすれば、他は何もいりません。この左目は自分で与えた自分への罰なのですから、いりません」
桐生さんの右目は真剣そのものだ。私が強く言ったところで、聴く耳を持たないだろうと判断する。
「……分かったわ」
仕方なく、承知した。