純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「それで、なんですか?きりゅ……一夜さん」

「ん?……ああ、」


 その瞬間、タイミングよく信号が赤になり、ゆっくりと車をとまらせた、き……い、一夜さん。

 そして、こちらの方を向いたかと思えば、ぐいっと私の方に身を乗り出した。……って、か、顔!近いですってば!


「鈴木……だったっけか?そいつに近寄られていないか?」

「またそれですか……。だから大丈夫ですって!昨日も一昨日も、その前の日も何もされていませんっ!」


 私の言葉を聞いて、一夜さんはホッと小さく息を吐いた。

 ……会社の帰り道の、鈴木くんに言い寄られたあの夜以来、私は鈴木くんに何もされていない。

 むしろ、何か……って、おそらく一夜さんに対してだろうけれど、私を見るたびにガタガタと震えて、避けられるようになった。

 いや、まぁ……変なことをされるよりかは全然いいから、特に気にしていないんだけどね……。


「俺は心配なんだ。里桜はかわいいから、俺が見張っていないとすぐに変な男共に目を付けられる」

「一夜、さん。それはいくらなんでも心配しすぎです……」

「……とにかく、何かあったら俺を呼べ。すぐに俺が駆け付けるから。いいな?」

「はいっ」
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