純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「俺のためにそう言ってくれて、ありがとう」


 桐生さんのため……?私、そういうつもりで言ったわけじゃ……。

 でも、どう言い訳をしたところで、さっきの言葉はそういうふうにしか聞こえないため、何も弁解できない。


「でも、決してこちらから頼んで早退させてもらったわけじゃない。篠原さんの顔を早く見たかったのは本当だ。今日はマスターに、午前中だけ出てほしいって言われていたんだ」

「そ、そうだったんですか」


 なんだ、そうだったんだ。なんか、勝手に1人で勘違いして恥ずかしい……っ!


「……篠原さん」

「はい?」


 桐生さんの目線が、私の後ろの……ベッドの上に無造作に置かれている服に移る。アレは、着替えたかったけれど、鉄枷のせいで着替えられなかった服だ。


「ベッドに腰掛けて」

「……え」

「鉄枷、外すから」


 それは……私の気持ちが分かったから、鉄枷を外してくれるっていうこと?

 そう聞きたかったけれど、桐生さんを怒らせまいと慌ててベッドに腰掛ける。すると、桐生さんは本当に鍵を取り出して、鉄枷を外してくれた。


「あの……」

「──すまない」

「?」

「ちゃんと朝に起こして、服を着替えさせてやればよかったな……。起こしてやれなくて、すまない」

「いえっ、別に……」


 謝るほどのことではないと思うんですが……。
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