ONLOOKER Ⅳ
見て、と言われて、四人は准乃介の方を見た。
会場に入る時に渡された、この映画祭のパンフレットを指差している。
大して興味もなかったので、今の今まで丸めてポケットに突っ込んであったらしい。
端に座っている真琴にも見せるため、ちょうど五人の真ん中に座っていた直姫に、パンフレットが渡された。
夏生と紅が両側から覗き込み、真琴が少し身を乗り出す。
「え、なにこれ。表彰式?」
「え? 順位つくの?」
「え……初耳、超初耳」
「……ホントなんにも聞かされてないよねぇ、俺たち。いまだに誰の脚本かも知らないくらいだし」
「え、てゆうか」
あれだけの豪華な校舎を舞台に使い、理事長の全面協力を得、本業の役者にまで出演を頼んでの、あくまで“自主制作映画”。
できた作品はあからさまな学校のプロモーションでも学生らしい微妙な間の青春群像劇でもなく、本格的なホラーミステリー。
「……すっげぇガチで勝ちにきてんじゃねーか」
居吹の呟きは、会場の喧騒と、次の作品が始まる合図とに、見事に掻き消された。