ONLOOKER Ⅳ
しかし、生活指導の竹田教諭は、それをよく思っていなかった。
生徒が遅くまで残っているのが問題なのは当然だが、それにしても、なぜか映研部を目の敵にしていたのだ。
ぶつかり合いも多々あったし、製作を邪魔されることさえあった。
現に昨日の放課後だって、カメラを回すマサトのそばにずっと立っていて、事あるごとに口を挟み、正直撮影どころじゃなくなって、うんざりしていたのだ。
それが一転、今日は忙しいのか、ずっと姿を見ていなかった。
「なんでこんなことに……」
「というか、どうしてここで……?」
視界から血が隠れて、いくらか頭が働くようになってくると、ナツとマサトがぽつりと呟いた。
竹田と映研部は、犬猿の仲といっていいほどに、相容れなかったのだ。
彼がわざわざ自分から映研部の部室に来るなんてことは、まずないと言っていい。