ONLOOKER Ⅳ
急いで扉を開けると、息を切らしたナオとヨリコが、シュンたちの前で膝に手を突いたところだった。
そして、二人が肩で息をしながら言った言葉に、耳を疑う。
「大変です!」
「ドアが……開かないよぉ!」
すぐに泣くヨリコを、困り顔をしたナオが宥める。
そんないつもの構図が成り立たない。
ナオも同じように、泣きそうな顔になっていた。
「ドアが開かない……?」
「どういうことだ!?」
ユカリの、ただでさえ白い顔が、さらに青白くなっている。
ナオが、顎を伝う汗を拭って、言った。