ONLOOKER Ⅳ


急いで扉を開けると、息を切らしたナオとヨリコが、シュンたちの前で膝に手を突いたところだった。
そして、二人が肩で息をしながら言った言葉に、耳を疑う。

「大変です!」
「ドアが……開かないよぉ!」

すぐに泣くヨリコを、困り顔をしたナオが宥める。
そんないつもの構図が成り立たない。
ナオも同じように、泣きそうな顔になっていた。

「ドアが開かない……?」
「どういうことだ!?」

ユカリの、ただでさえ白い顔が、さらに青白くなっている。
ナオが、顎を伝う汗を拭って、言った。



< 18 / 138 >

この作品をシェア

pagetop