ONLOOKER Ⅳ
「あの、中庭への玄関も、裏庭へのドアも外から鍵がかかっていて……渡り廊下にもシャッターが降りてるんです」
「南校舎の警備員室、灯り点いてるじゃねぇか。まだ誰か残ってるはずだろ。なんでシャッターなんて降りてんだよ」
口悪く言うシュンに、ナオがびくりと肩をすくませる。
いくらか落ち着いていた動揺が、そのせいでまた沸きあがってきたみたいだ。
「わかんないですよそんなの……! どうしよう、どうしたらいいんですか!?」
「ナオ、落ち着いて。窓は?」
「窓もダメです。外から何かで押さえてあるみたいで」
「携帯から職員室に電話して、誰か呼んだら……」
「無理ですよ。この学校、渡り廊下以外はどこも圏外じゃないですか」