ONLOOKER Ⅳ

CHAPTER:Ⅱ



 ※※※


「……どうしましょう」

困り果てたナオが、眉尻を下げる。

外と連絡を取る手段もなく、閉じ込められてしまった。
しかも、映研部の部室には、死体。
今は適当なシーツが被せられているが、この下にあるのは間違いなく、彼らもよく知るこの学校の教師の、変わり果てた姿なのだ。

驚きや何やらで感覚が麻痺しているのか、恐怖心はさほどでない。
しかし、ヨリコはずっと涙ぐんだままだし、コウキはそんな友人に当てられたのか、泣きそうな顔で狼狽えている。
ユカリに至っては、気分が悪くなってしまったのか、ずっと壁に凭れかかったままだ。




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