ONLOOKER Ⅳ
「今日はあまり姿を見ませんでしたけど……ずっと部室に?」
ナツが尋ねると、ユカリは無言で頷く。
今日の授業が終わってからずっと、部室にこもって作業をしていたらしい。
小道具や衣装の管理を一挙に引き受けているのだから、きっと大変だろう。
「シュン先輩も部室にいたんですか?」
「いや、俺が行ったのは、もう少し後だった。部室に入ったら、コウキたちがいたな」
「竹田先生が来たのは、きっと部室が無人になってからですよね……いつ部室を出たんですか?」
「ーっと……」
シュンが、記憶を探るように、視線を宙に泳がせる。
それはコウキとヨリコのあたりで、一度止まった。
「こいつらが出てった、30分くらい後だよな」
「あ、うん。一度撮影の進み具合を見に行こうって、二人で」