ONLOOKER Ⅳ
「そういえば、ユカリ先輩もそのくらいから見ませんでしたけど……」
「……それは」
シュンは口ごもって、ユカリを横目でちらりと見る。
「ユカリは……ずっと俺といた」
「あの、失礼ですけど……どこにいたんですか?」
ナツが、申し訳なさそうに、しかし率直に、尋ねる。
しかしシュンは、目を逸らして、答えを濁すばかり。
「まぁ、そのへん適当にうろうろして」
「……シュン先輩」
咎めるようなナツの声。
恐らくこの学校で、こんなふうに物怖じせずに彼に接することのできる人間は、そう多くはないだろう。
部員たちの視線に負けたのか、シュンが渋々、口を開く。