ONLOOKER Ⅳ
※
「さて」
シュンが、まるで最終章で謎解きを開始する推理小説の探偵役のように、言った。
つまり、確実に何かがわかっている、というふうに言ったのだ。
その視線は、ある一人に向いていた。
「俺がなに言いたいか、わかるよな」
「俺も同感ですね。まずはそこから崩すべきだ」
「ちょっと……なに言ってるんですか先輩、マサトまで」
ナツが、薄く笑顔を作りながら言う。
しかしシュンとマサトの視線も注意も言葉も、今は完全にナツを素通りしていた。
“その人”は、普段のおろおろした様子とは裏腹に落ち着いているようにも、意気消沈しているようにも見えた。
「……僕を疑ってるんですか……?」
「当たり前でしょう。東側の渡り廊下を封鎖できたのは、この中にはあなた一人しかいませんから。……ね、コウキ先輩」
コウキは顔色をなくして、マサトを見ていた。
作り物めいた色白の肌が、彼の緊張を感じさせる。