ONLOOKER Ⅳ


 ※

「さて」

シュンが、まるで最終章で謎解きを開始する推理小説の探偵役のように、言った。
つまり、確実に何かがわかっている、というふうに言ったのだ。
その視線は、ある一人に向いていた。

「俺がなに言いたいか、わかるよな」
「俺も同感ですね。まずはそこから崩すべきだ」
「ちょっと……なに言ってるんですか先輩、マサトまで」

ナツが、薄く笑顔を作りながら言う。
しかしシュンとマサトの視線も注意も言葉も、今は完全にナツを素通りしていた。
“その人”は、普段のおろおろした様子とは裏腹に落ち着いているようにも、意気消沈しているようにも見えた。

「……僕を疑ってるんですか……?」
「当たり前でしょう。東側の渡り廊下を封鎖できたのは、この中にはあなた一人しかいませんから。……ね、コウキ先輩」

コウキは顔色をなくして、マサトを見ていた。
作り物めいた色白の肌が、彼の緊張を感じさせる。



< 96 / 138 >

この作品をシェア

pagetop