HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「だって、清水くんみたいな人からかわいいと言われるような容姿じゃないってことくらい、自分でもよくわかってるから……」

 ――俺みたいな人って、どんな人?

 どうして舞がそこまで卑屈になるのか、よくわからない。どうすれば俺の言うことに素直に耳を傾けてくれるんだろう。

 舞と俺の間にある訳のわからない垣根のようなものがもどかしいので、この際強硬手段に出ることにした。

 苛立ちながら、まずは軽く揺さぶる。

「俺が思ってもいないことを言うと思ってる?」

「そんなことは……ないけど」

 手応えを感じながら、今度はもっと強く揺さぶった。

「じゃあ、俺の言うこと、信じる?」

 舞はおどおどしながらも俺の目を真っ直ぐに見る。その目を見るとふと優しい気持ちになった。



「高橋さんのことが好きなんだ」



 見つめたまま、心を込めて俺の気持ちを伝えた。

 その瞬間、隣でカチンと凍りついた音がした気がする。

「……ウソ?」



 ――はぁ!?



「あーもう! やっぱり信じてない」

 俺は大げさに椅子にぐったりとのけぞった。 

 舞を見るとまさに鳩が豆鉄砲を食ったように意識を遠くに飛ばしている。

 だが、垣根の一部を破壊することはできたような気がした。

 本当はもっと華麗に飛び越えて行きたかったが、今の俺と舞では着地に失敗して俺が無様な姿になりかねない。

「まぁいいや。これからゆっくりじっくり俺のこと知ってもらうから」

 伝えたいことを無事に言い終えたので、俺はやけにすっきりとして良い気分だった。
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