Steady
「彩加ー。いるのー?」


パタパタとリズミカルな音が

近付いたかと思うと、

部屋のドアが思い切り

開かれる。


スリッパを

引きずって歩くクセを

どうにかして欲しいものだ。


まだ頭がぼんやりとする中、

私はベッドから

むっくりと起き上がる。


「なんだ、いるんじゃないの。

ちゃんと返事しなさい」


帰りに夕飯の買い出しを

したのだろう、

スーパーの袋を

手にした母親が

呆れた顔で言う。


「……寝てたし」


きっと母親の耳になんか

届いていないだろう声で呟く。


無理やり起こされて、

いい気分になるヤツなんて

いないのに。


そんなことを思いながら、

真っ暗な部屋の

明かりをつける。



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