御曹司なんてお断りっ◆

「わざわざ来てくれたの?
 はい、これ建志の携帯電話。」

ロビーに設置された来客用の
会談スペースに建志を案内しながら
携帯電話を交代する。


「もー、志保
 間違えないでよ。イロイロ大変だったんだよ?」

建志がにやりと笑う。
色々って…顔が少し曇る。

はぁ。
きっとなんだか余計なイタズラをしたんだと思う。


「建志…
 土曜日・・・電話を受けたでしょう?

 『勘違い爆弾投下したよ』って言ってたのは
 昴さんの件でしょ?」

「あはは。そうそう、今日は昴さんに会ったみたいだね~。

 勘違い爆弾投下しました、
 早めに話さないとこじれるよって言ったじゃん。
 
 すぐに、志保から電話すりゃよかったのに。」

「・・・それだけじゃ、
 何のことかさっぱりわからなかったんだもの。」

「だめだなぁ。
 待ってるだけじゃぁ、だめだよ?」

「別に待ってなんか・・・ただ、電話来ないなぁって・・・」

「あはは。ソレを俺は、待ってるっていうんだよ?」


建志は、戻ってきた携帯の着信をチェックしている。
私もつられて着信とメールをチェック。


「あ、そうだ、今日黒田課長からご飯誘われたんだけど、
 建志…電話で何か言ったでしょ?」

「うん。あおっといた。」

悪びれもなくサラッと伝える。

「煽るって…。」

「まぁ、志保と俺は一緒に住んでて、
 俺のベッドサイドで携帯電話を充電するような仲です。
 ってかんじ?」

建志は楽しそうににっこり笑った。


「はぁ…。
 建志、楽しんでるでしょ?」

「まーね。
 もしかしたら、昴さんも志保を迎えに来るかも。」

「はい?」

建志は自分の携帯電話を
黒い鞄にしまいこむ。


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