鈴姫
部屋に戻って支度をしていると、早々と支度を済ませた秋蛍が香蘭の部屋に入ってきて、まだ終わらないのか、とでも言いたげな視線で支度をする香蘭を見守り始めた。
香蘭は早くしなければと、急いで荷物を纏め、腰の辺りで結びつけた。
「リン、鏡を持ってこい」
「え!?持っていくのですか!?」
香蘭は驚いてつい大きな声を出してしまい、そのことに気づいて恥らいながら口に手をやった。
秋蛍は呆れたように腰に手をやった。
「当たり前だろう。我等は鏡を守らなくてはならない」
「で、でも……。こんな大きな鏡、どうやって?」
香蘭はちらりと鏡を横目で見た。
願いの鏡は香蘭の背丈よりも大きく、おまけに丸い形をしているから、運びにくいことこの上ない。
第一、こんな大きなものを持って移動していては、敵にすぐ見つかってしまうのではないだろうか。
香蘭がどうしたらいいのか悩んでいると、秋蛍が近づいてきた。
「起こせ。自分で歩かせる」
「起こすって……?」