花恋-はなこい-
小宮南高に入学して間もなく、

真由はある男子に

好意を寄せられ

必要以上に付きまとわれていた。


休み時間になるごとに

真由へと近付き、

執拗なボディータッチをされ

真由は日々、

恐怖心が募っていった。


「真由が嫌がってんだから、

 いい加減やめなよ」


真由の親友、

石原杏奈(いしはら あんな)の

忠告には一切耳を貸さず、

その男子は感情のままに

真由に声を掛け続けた。


真由の心を

追い詰めていることを知らずに。


無神経に、ずかずかと。


圭輔に相談したくても

“付き合っている”のか

不安な真由は、

なかなか言い出せずにいた。



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