パラサイト ラブ

太一さんは一緒に牛丼を食べたテーブルを壁際に寄せて、クローゼットから布団を出すと自分の布団の隣に敷いた。


「干したの随分前だからかび臭かったらごめんな。めったに客も来ないからさ」


「充分です。ありがとうございます」


横になってみると布団は確かにぺたんこだったけれど、かび臭くはなかった。


これならぐっすり眠れそう。


太一さんは天井からぶらさがる蛍光灯の紐を二回引っ張り、豆電球の小さな明りにして自分も布団にもぐった。


「おやすみ」


私に背を向けた太一さんが言った。


私も彼とは反対の向きに寝返りを打ち、「おやすみなさい」と返して目を閉じた。












だけど……昼間眠ってしまったからだろうか、私は上手く寝付けなくて、しばらく目を開けたままぼんやりしていた。


すると太一さんの寝ている方から布団を剥ぐような音がして、トイレかなぁなんてぼんやり思っていると、私の上に大きな影がかかった。






「………太一さん?」

< 173 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop