しあわせおばけ
食事の間中、明日香はうまそうにスプーンを口に運び、楽しそうに相沢とじゃれあったりしていた。
俺も会話に入ろうといろいろ話しかけてみたが、相手にしてくれるのは相沢だけで、
「明日香、ケーキ食ってあったな。うまかった?」
「……」
「あとでパパの分も食べていいぞ」
「おーやったな、明日香ちゃん」
「アイザワクン、あとで一緒に食べようねっ」
といった具合に、巧みに俺を避ける。
「明日香ちゃん、パパに、ありがとうは?」
「カレー食べ過ぎないようにしなくちゃ!」
「明日香ちゃん、ちゃんとパパに…」
「いいよ、相沢」
必死に俺たちを繋ごうとしてくれる相沢に、俺はたまりかねて言った。