午前0時、夜空の下で
「ここじゃ結婚する前までは男に権力があっても、結婚後になると女に権力が移るの。私も馬鹿馬鹿しいとは思うんだけど。そういう文化だから仕方ないか」

「何でそんな文化が……」

「初代魔王の黎稀様と、正妃であるリーヴル姫の影響よ。
黎稀様は黎を建国した後、天界にいらっしゃったリーヴル姫に結婚を申し込んだの。
魔王の力を恐れた天界は、結婚を承諾せざるを得なかった。そしてリーヴル姫は、黎国の正妃となった。
……普通なら、ここで終わりじゃない? でも黎稀様は、すべての最終決定権をリーヴル姫に委ねたの。
国政から外交に至るまで――すべてを。
それからなぜか、結婚したら女に権力が移るようになっちゃったのよねぇ……。
黎では魔王様がいらっしゃるからか、特にその風習が強く残っているの。
他国ではそれほど徹底されていないみたいだけど」

ふむふむと頷きながらも、心は首を傾げる。

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