午前0時、夜空の下で
魔王の機嫌を映し出した空は今、満月が煌々と輝いている。
「しかし、面白いことになっているとは思わないか? お前は先程娼館に転がり込んだと言ったが、あれは他とは一線を画す、世界一と名高い娼館だ。そう容易く転がり込める場所ではあるまい」
心が働いている娼館――黎明館。
唯一、初代国王である黎稀王の字を用いることが許されている店であり、客を選ぶ店としても広く知られている。
紹介なしには足を踏み入れることすらできず、完全予約制であり、貴族や八大国の王族もたびたび訪れているという。
「少なくともあの店で働いている限り、カザリナは手を出すことができまい」
それはそれは愉しそうに、王は口元を歪めた。
「……それでも、認めません。あの人間は妃の器ではない」
吐き捨てられた言葉に、妃月はただ、笑った。
「私の命令でも、か?」
「しかし、面白いことになっているとは思わないか? お前は先程娼館に転がり込んだと言ったが、あれは他とは一線を画す、世界一と名高い娼館だ。そう容易く転がり込める場所ではあるまい」
心が働いている娼館――黎明館。
唯一、初代国王である黎稀王の字を用いることが許されている店であり、客を選ぶ店としても広く知られている。
紹介なしには足を踏み入れることすらできず、完全予約制であり、貴族や八大国の王族もたびたび訪れているという。
「少なくともあの店で働いている限り、カザリナは手を出すことができまい」
それはそれは愉しそうに、王は口元を歪めた。
「……それでも、認めません。あの人間は妃の器ではない」
吐き捨てられた言葉に、妃月はただ、笑った。
「私の命令でも、か?」