午前0時、夜空の下で
そんな彼の想いにちっとも気づく気配がないミスティアは、笑顔で手ぬぐいを受け取り心の目元にあてがった。

じんわりと広がる冷たさに、心はそっと微笑む。

「カルヴァローネ伯爵も、頑張ってくださいね。どうやら長期戦に突入してるみたいですけど」

「……何の話?」

一人首を傾げるミスティアに、二人は顔を見合わせて苦笑した。



それからしばらく三人で話した後、街に出ることになった。

心が一度も街を見たことがないという話になり、ミスティアが仕事が終わったら行ってみないかと提案したのだ。

旦那に許可を貰い、カルヴァローネ伯爵の「途中まで送りますよ」という申し出にありがたく従い、馬車に乗り込む。




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