午前0時、夜空の下で
混乱しつつも振り返ると、そこにはもう、ミスティアの姿はなかった。

おそらく守護人であろう男に押し倒された状態で、ぐったりとうつ伏せになっている。

「!? ミスティアっ……!」

思わず駆け寄ろうとしたとき、その男が顔を上げて叫んだ。

「彼女は無事です! 貴方だけでも逃げてください……早く!!」

ビクリと、心の体が跳ねる。

逃げ惑う魔族が身を守ろうと魔力を乱発し、それが魔力を暴走させて新たな被害者を生んでいる。

――怖い。

コワイコワイコワイコワイ。

足が動かない。

膝が笑って走れない。

無理だ、と。

……囁きそうになった瞬間。

『―――こころ、……』

そっと頭に響いた、声。

「―――っ!!」

妃月さま?





< 149 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop