午前0時、夜空の下で
気づいたときにはもう、駆け出していた。

逃げ切れるかどうかなんて分からない。

でも、逃げなきゃ殺される。

ミスティアには守護人だっているし、カルヴァローネ伯爵も騒ぎを知れば駆けつけてくれるだろう。

きっと大丈夫だ。

自分に言い聞かせるように呟きながら、心は走り続けた。

先程、地面に倒れたときに切ってしまったようで、腕や足には所々血がにじんでいたが、痛みを気にする余裕はない。

全力で街中を駆け抜け、ふと気付けば目の前には、鬱蒼とした森が広がっていた。

――久遠の森……

心身共に疲れ切っていた心は、導かれるかのように森の中へと入っていった。


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