午前0時、夜空の下で
「いや、カザリナ姫と我には何の関係もない。……しかし、我が主にはそなたのことを報告しなければならない」

心は驚いて目を見張った。

天界の直轄地にいることを許された彼の主なら、天界の者だろうか。

自分でも気づかないうちに、話がどんどん大きくなっていく。

「お願いします、見逃してくださいっ!! 私がここにいると……もしカザリナ様に知られたら、今度こそ殺される。死ぬわけにはいかないんです! 私は、生き抜いてっ、」

妃月さまのところに、帰らないと――!!

喉を詰まらせ涙を流す心を、彼はじっと見つめた。

「……安心しろ。悪いようにはしない。……こっちだ」

やわらかい、しかし拒絶を許さない声。

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