午前0時、夜空の下で
たった、それだけ。

毎日城の中を駆け回り、同じ寝台で休んで、起きたら一緒に夕焼けを眺めて。

それの繰り返し。

楽しい日々だったけど、彼がこの日常に満足しているのか、分からなかった。

彼にとって、自分が必要な存在なのか……分からなかった。

だから、城から消えてしまった心のことなど、忘れてしまったのではないか、と思いもしたけれど。

「心、」

繰り返し呼ばれるたびに、心の不安は薄れていった。

「……よく聞け、心。迎えに行ってやりたいが、私は城を離れるわけにはいかない。……いや、お前を助けることができないんだ」

深く眉間にしわを寄せ、不愉快そうに妃月は口元を歪めた。

「お前を認めさせなければならない」
< 158 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop