午前0時、夜空の下で
その言葉に、心は首を傾げた。

「どういうことですか? 認めさせるって……」

――カザリナ様に?

しかし、妃月が言っていることはどうも違うようで。

「……今は話せない。知れば、おそらくお前は動けなくなる。だから、まだ何も知らなくていい。好きに動け」

口元で弧を描き、そっと微笑する。

しばらく見ていなかったその凄絶な美貌に、心は思わず息を呑んだ。

直視することすら躊躇うほどの、美しさ。

カザリナが、あんな行動を起こしてまで心を引き離そうとしたのも、無理ないことなのかもしれない。

ふと夜会の夜が、頭の中に蘇る。
< 159 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop