午前0時、夜空の下で
心が布を持ち上げて入室した瞬間、ハッと振り返った伯爵は、困り果てたように笑った。

「ミスティアはもう、僕に逢う気はないんですね……」

切ない声に、心は慌てて首を振る。

「違います! ミスティアがあなたを避けたんじゃないっ!! ……ちょっと、接客できる状態じゃなくて。伯爵に失礼があってはいけないからと、アシャンが決めたことです。そこに、ミスティアの意思はありません」

お酒を置き、伯爵の前に座り込んだ。

「ミスティアが不機嫌な理由は、私からは言えません。差し出がましいことだとは思うんですけど……伯爵がミスティアに想いを伝えなかったのは、ミスティアを大切にしたかったから……ですか?」

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