午前0時、夜空の下で
「ココ、黎明館ではほとんどの場合、相手の意に沿わない結婚は叶わないことをご存じですか?」

麗しい笑みととも発せられた言葉に、心は警戒の態勢を取りつつ頷いた。

「アタシ、前に少しだけココに話したよね? 黎明館では、ダンナ様に決定権があるって話」

真剣なその表情に、心は思わず姿勢を正す。

「でも、あの話には例外があるの。貴族より高い身分の方から求婚された場合、たとえダンナ様であっても退けることはできない」

コクリと喉を鳴らす。

ノーラが、何故今になって、そんな話を持ち出すのか。

その意味を悟った心は、カルヴァローネ伯爵に驚愕の表情を向けた。

灰色のやわらかな髪。

水色に揺れる瞳。

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