午前0時、夜空の下で
「レイン様は以前、琅の国王であるお父様と一緒に、この国に来たことがあるの。黎明館は琅でも有名な店だったから、一度見てみたいと思ったらしくて……側近たちを説き伏せて、陛下に黙ったまま、お忍びをしたみたい。そこで、ミスティアに一目惚れしたらしいのよ」

それで帰国せざるを得なかった皇子が、ノーラに黎明館で働くよう命じたのだ。

「なるほどね。でも、私はどうすればいいの? カルヴァローネ伯爵ってば、ミスティアには黙っててとしか言わないし……」

心の言葉に、ノーラは深く溜息をつく。

「私としては、さっさとくっついて国に帰ってほしい……」

うんざりとした声。

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