午前0時、夜空の下で
しかし、ミスティアもやはりカルヴァローネ伯爵自身から聞きたいようで。

「……わかった」

小さな溜息とともに、ぽつんとそう零した。

「ねぇ、」

ふと、ノーラが声を上げる。

「ミスティアって伯爵のこと、レインって呼んでたでしょ? ……最初聞いたときは、驚いて声が出なかったわよ」

レインは、琅国第一皇子の名だ。

「普段そう呼ばれとるけん、アタシにもそれで呼んでほしいってゆうてたんよ……」

その名を、ミスティアだけに呼ばせる意味。

「ミスティアの前では、本当の自分でいたかったのかも。どこにいようと、彼は皇子以外の何者でもないから」
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