午前0時、夜空の下で
ノーラがそっと微笑むと、ミスティアは困ったように眉根を寄せた。

「早く、伯爵が来てくれたらいいね」

心がミスティアの代わりに、満足気に笑う。

……だが結局、その願いが叶うことはなかった。



深夜。

ぐっすりと蝶たちが眠る黎明館で、ザワリと空気が動く。

逸早く変化を察したキシナが、心の隣に顕現した。

「……おい、起きろ。何か来る」

深い眠りから呼び覚ますため、強く体を揺すると、擦れた声が上がる。

「キ……シナ? 何、どうしたの……?」

心はひどくゆっくりとした動作で、眠気を飛ばそうと起き上がった。
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