午前0時、夜空の下で
そして心は――……

「ありえない。ほんとにありえない」

乗り慣れない所為で船酔いし、真っ青な顔でぶつぶつと呟いていた。

ミスティアは若干気まずそうに心を見遣り、「寝てていいで」と優しい声を掛ける。

「んー……寝たら楽だけど、この景色を見ていたいから起きてるよ」

そう言って心は、目の前に広がる光景に感嘆の溜息を落とした。

彼女の瞳に映るのは、黎国。

魔族は夜行性であるため、深夜でもたくさんの明かりが灯されている。

琅国に向かう船からは、その黎国の姿がまるで宝石箱のように見えていた。

ちりばめられた、キラキラと輝くの光の宝石。

どれほど長く見つめていようと、飽きることはない。
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