午前0時、夜空の下で
慣れない魔界の文字で“ココ”と記入し、心は用紙を差し出した。

受け取った男性は用紙に目を通すと、一瞬顔を顰める。

「何か問題がありましたか」

不安げな表情で問いかけてしまったようで、男性は慌てて謝罪の言葉を口にした。

「いいえ、これで大丈夫です。ただ、あなたのお名前が通達にあった名にとてもよく似ていたので、驚いてしまったんですよ」

「……通達、ですか?」

首を傾げた心に、男性は苦笑する。

「ええ、ココロ様とおっしゃる方です。黎王陛下が直々に捜しているらしく、見つかり次第、すぐに陛下にお知らせするように、と厳命されているんです」

息を、呑んだ。

――妃月さま。

< 234 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop